「人材」と「人財」──給与設計が分ける未来

人材と人財

会社にとって最も重要な資源は「人」です。
しかし、その「人」をどう捉えるかによって、経営の姿勢や制度設計は大きく変わります。
よく使われる「人材」と「人財」という二つの言葉。
どちらも「じんざい」と読みますが、その意味は異なります。
一文字の違いに過ぎませんが、経営者がどのように社員を見ているかを表す
鏡のような存在です。

「人材」とは

「人材」は「人の材料」と書きます。
採用市場でも「優秀な人材を確保する」といった表現が一般的で、
“人をどう使うか”というニュアンスが強い言葉です。
まだ原石であり、磨き上げが必要な存在。
ここでは、まだ育てる前の存在、役割を埋めるための労働力という側面が目立ちます。

「人財」とは

一方「人財」は「人は財産」であるという考え方を反映しています。
知識やスキルだけでなく、価値観や姿勢、経験を含めて、
会社にとって欠かせない存在。
すでに価値を発揮し、組織に成果をもたらす存在。

経営者が「人を活かし、大切にする」という意思を持って初めて使える言葉です。
「人材」を「人財」に育てることこそ、企業の成長戦略そのものと言えるでしょう。

つまり「人材」は“コスト”としての人、
「人財」は“投資対象”としての人、と言い換えることもできます。

給与設計で「人材」が「人財」に変わる

社員を「人財」と呼ぶだけでは、本当の意味での“財産”にはなりません。
人を財産に育てるためには、給与設計という仕組みが重要です。

給与は単なる報酬ではなく、社員にとっての 「自分の価値をどう評価されているか」
を示す強力なメッセージです。

不透明で年功序列的な給与体系では、社員は自分の努力と成果が
評価されている実感を持ちにくい。
一方、明確な評価基準と連動した給与設計があれば、
社員は「成長すれば報われる」という納得感を持ち、モチベーションが高まる。

給与設計とは、経営者が社員に伝える
「あなたは財産である」という意思表示のひとつなのです。

役割と期待を明確にする給与設計

→「自分が何を求められているか」を理解することで、人は成長します。

能力や挑戦に応じてステップアップできる制度
→未来のキャリアが見えることで、長く働き続ける動機になります。

給与設計は単なる「給与表の作成」ではなく、会社が社員をどう捉え、
どう育てていくかを形にするツールです。


呼び方が文化をつくり、制度が人を育てる
「人材」と呼べば“材料”として扱われます。
「人財」と呼べば“財産”として尊重されます。

しかし、呼び方だけでは不十分。
大切なのは、その理念を給与制度や評価制度に落とし込み、
日々の働きがきちんと報われる仕組みにすることです。
人を「コスト」と見るか、「投資」と見るかで企業の未来は変わります。

そうして初めて、人は「材料」から「財産」へと変わり、
会社にとっての揺るぎない土台となっていきます。

給与設計を単なる人件費の管理ツールとして扱うのではなく、
社員を「財産」として育てる仕組みに変えること。
それができた企業は、社員の力を引き出し、
持続的な成長を実現していくでしょう。

最後に

経営者の方に問いかけたいのは、
「御社の社員は“人材”でしょうか?それとも“人財”でしょうか?」
ということです。

そして、もし「人財」と本気で考えるなら、
それを裏づける給与設計が整っているでしょうか。

言葉と制度が一致したとき、社員は真の意味で会社の“財産”になり、
経営の未来を支える存在となるはずです。
給与設計は、社員の成長と会社の成長をつなぐ架け橋。
「人材」を「人財」に変えていく道を、一緒に設計していきましょう。

そうなれば、
あなたの会社に入りたい!
あなたの会社に勤めてよかった!
という声が聴こえてくるのも、決して遠い日の夢ではありません。
あなたの会社に勤めてよかったと感謝される経営者が増える日を願って…

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