
「人間性を評価しない」ことが、なぜ社員を最も大切にすることになるのか?
二代目社長のあなたなら、一度ならずともこうした葛藤に頭を悩ませた
ことがあるのではないでしょうか。
先代から続く「情」の経営と、現代に求められる「理」の経営。
その狭間で、
「人間性を評価しない評価制度なんて、冷徹すぎるのではないか?」
という疑問が浮かぶのも無理はありません。
しかし、
結論から言いましょう。
「人間性を直接評価しないこと」こそが、
実は最も社員の人間性を尊重する道なのです。
今回は、評価制度の本質的な考え方を整理しながら、
なぜ客観性が重要なのか、
そして二代目社長が直面する「古参社員との向き合い方」を
どう解決すべきか、解説します。
1. そもそも「人間性」は評価できるのか?
多くの日本企業が長年採用してきた情意評価(やる気、態度、協調性など)
一見、人間味があるように見えますが、ここには大きな落とし穴があります。
◆人間性(情意)評価
●特徴 :性格や姿勢を評価
●メリット :会社への忠誠心が高まりやすい
●デメリット:主観が入りまくる。
「上司の好み」が基準になりがち
◆成果(結果)評価
●特徴 :数字や実績のみを評価
●メリット :公平で分かりやすい
●デメリット:プロセスが無視され、殺伐としやすい
◆行動(コンピテンシー)評価
●特徴 :成果につながる「行動」を評価
●メリット :再現性が高く、納得感がある
●デメリット:定義を作るのが大変
「人間性」という目に見えないものを評価しようとすると、
どうしても評価者の主観(バイアス)が入り込みます。
「元気にあいさつするからA評価」とする上司もいれば、
「静かだが黙々と仕事をこなすのが美徳」と考える上司もいます。
これでは、社員は「仕事」ではなく「上司の顔色」を見るようになってしまいます。
これこそが、本当の意味での「人間性の軽視」ではないでしょうか。
2. 「人間力」と「仕事力」の正しい関係性
「人間性を評価しない」=「人間なんてどうでもいい」ではありません。
プロフェッショナルな組織における人間力と仕事力の関係は、
以下のように整理できます。
◆人間力(土台) : 誠実さ、知的好奇心、粘り強さ
◆仕事力(アウトプット): 課題解決、売上貢献、チームへのナレッジ共有
~「素晴らしい人間性を持っているなら、
それは必ず『行動』として表に現れるはずだ」~
これが客観的評価制度の基本思想です。
例えば、
「後輩思い」という人間性を評価したいなら、
「後輩の育成に週5時間を割き、実際に後輩の目標達成率を○%引き上げた」という
行動と結果を評価します。
性格そのものをジャッジするのではなく、その性格がどう組織に貢献したかをカウントする。
これにより、「いい人なんだけど成果が出ない」という曖昧な状態に、
プロとしての明確な基準を引くことができるのです。
3. 二代目社長が直面する「古参社員」という現実
さて、ここからが本題です。
二代目社長にとって最も頭が痛いのが、
「先代の頃から会社を支えてくれた、人間味あふれる古参社員」の
存在でしょう。
彼らは数値目標だけで測れば、今の若手には勝てないかもしれません。
しかし、彼らが持つ社内調整力や、顧客との長年の信頼関係という
「人間性」を無視して制度を導入すれば、組織はバラバラになります。
「恩義」を「コスト」にしないために…
古参社員の人間性を無視できないからといって、評価を甘くし続けるのは、
成長意欲のある若手の離職を招く「静かな毒」となります。
解決策は、
「彼らの人間性が生み出している価値」を徹底的に言語化し、
新しい評価項目(役割)として組み込むことです。
●「若手の離職率を下げている」→ メンターとしての評価
●「トラブル時に顧客をなだめてくれる」→ リスクマネジメントとしての評価
このように「ベテラン専用の役割(等級)」を客観的に定義することで、
彼らのプライドを守りつつ、給与の妥当性を担保することができます。
4. 客観性は「冷たさ」ではなく「優しさ」である
主観を排除し、客観的な基準で給与を決めることは、
一見ドライに見えます。
しかし、考えてみてください。
「社長のさじ加減一つで給料が変わる会社」と
「何を頑張ればいくら貰えるか明確な会社」
社員はどちらを信頼するでしょうか?
客観的な評価制度は、社員を「感情の波」から守る防波堤です。
◎社長の機嫌が悪いからといって評価が下がらない。
◎声が大きいだけの人が得をしない。
◎正当に努力した人が、正当に報われる。
これこそが、現代における「人間を大切にする経営」の正体です。
5. 「給与設計Pro」で、感情を仕組みに昇華させる
「考え方は分かった。
でも、うちの会社に合った具体的な基準をどう作ればいいのか…」
そんな悩める経営者のためにあるのが、給与設計Proです。
私たちは、単にシステムを導入するだけのコンサルティングは行いません。
貴社の歴史、
先代が大切にしてきた文化、
そして二代目であるあなたが描く未来。
そのすべてをヒアリングした上で、
「人間性を尊重しながら、主観を排除する」という
一見矛盾した課題を解決する
オーダーメイドの評価・給与体系を構築します。
◎属人化した給与の整理
◎古参社員も納得する等級定義の作成
◎若手が「ここで働きたい」と思える透明性の確保
「情」を「仕組み」に変えることで、
社長ご自身も、もっと自由に、もっと大胆に経営の舵取りが
できるようになるはずです。
次の一歩・・・
あなたの「モヤモヤ」を言語化してみませんか?
◆「今の給与体系、実は自分でもよく分かっていない……」
◆「あの社員の評価、どう説明すればいいのか困っている……」
そんな些細な悩みからで構いません。
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