経営者の羅針盤:迷いを確信に変える

給与設計学

経営者の皆様は、従業員各々が給与に見合う仕事をしているかどうか、
自信をお持ちでしょうか?

給与設計では従業員の貢献度を客観的な指標に基づいて評価しその評価結果に基づいて
適正な給与を決定いたします。

このブログ記事では、中小企業における職能給と年功序列のそれぞれのメリット・デメリットや導入時のポイントなどを詳しくご紹介します。

2024年5月時点での中小企業における給与体系は一般的に職能給と年功序列の要素を
組み合わせたものが採用されています。

◇職能給◇

職務の内容や難易度に応じて、給与を決定する体系です。

メリット

・能力や経験が正当に評価される・モチベーション向上につながる

・優秀な人材を獲得しやすい・人材育成に効果的

デメリット

・年功序列的な要素が薄れる・評価制度が複雑になる

・経験豊富な人材の流出につながる可能性がある

◇年功序列◇

勤続年数に応じて、給与が昇給していく体系です。

メリット

・人材の流出を防ぐ・経験豊富な人材の育成に効果的

・従業員の忠誠心を高める・従業員間の公平性を保ちやすい

デメリット

・能力や経験が評価されない・若い世代のモチベーションが低下する
・非効率な人材配置につながる可能性がある点などがあります。

中小企業における給与体系は、職能給と年功序列の要素をどのように組み合わせるかによって、様々なバリエーションがあります。近年では、職能給の要素を取り入れる中小企業が
増加傾向にありますが年功序列の要素も根強く残っています。

参考情報

厚生労働省「中小企業の賃金制度」:
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/chingin/index.html

1.職能給のデメリットの改善策

職能給のデメリットである「年功序列的な要素が薄れる」点や「評価制度が複雑になる」点を
改善するにはどうするべきか?について

1.年齢・勤続年数に応じた加点制度を導入

完全に職能給ベースにするのではなく、年齢や勤続年数に応じて加点を行う制度を導入する
ことで一定程度の年功序列的な要素を維持することができます。

2.明確な評価基準を設ける

評価基準を明確にすることで評価者の主観による評価のばらつきを減らすことができます。

評価基準は、職務内容、能力、経験、成果などを包括的に考慮する必要があります。

3.定期的な評価を行う

定期的に評価を行うことで、従業員のモチベーション維持と能力向上につなげることが
できます。評価結果は、昇給や昇進、賞与などに反映する必要があります。

4.従業員とのコミュニケーションを密にする

評価制度について従業員と十分にコミュニケーションを取ることで制度への理解と納得感を
高めることができます。また、従業員の意見を取り入れることで、より効果的な評価制度に
改善していくことができます。

5.ITを活用する

評価制度の運営をITを活用することで、効率化することができます。
また、ITを活用することで、評価データの分析や活用も容易になります。

職能給のデメリットを完全に解消することはできませんが、複数の対策を組み合わせることで、デメリットを軽減することができます。

2.年功序列型給与のデメリットの改善策

年功序列型給与のデメリットである「能力や経験が評価されない」点や「若い世代の
モチベーションが低下する」点を改善するにはどうしたら良いか?について

1.職務給の導入

職能給の要素を取り入れることで、能力や経験を評価しやすくなります。

具体的な方法は、職務評価制度は、職務の内容や難易度を客観的に評価し、それに応じた
給与を決定するものです。

2.成果主義の導入

成果主義を取り入れることで、成果を上げた従業員を評価しやすくなります。

具体的な方法は、目標管理制度を導入することです。目標設定は業績目標と個人目標の
バランス調整を行い、目標達成度に応じて給与を決定します。

3.年代別・職種別の給与体系の導入

年代別・職種別の給与体系を設けることで、それぞれの年代や職種に適した給与を支払う
ことができます。

これは、若い世代の給与を上げ、モチベーションを高める効果があります。

4.コミュニケーションを密にする

経営者や管理者は、従業員と積極的にコミュニケーションを取ることで、従業員の意見や
要望を把握することができます。従業員の意見や要望を反映した給与制度にすることで、
従業員の満足度を高めることができます。

5.定期的な給与レビューを行う

定期的に給与レビューを行うことで、時代の変化や業績の変化に合わせた給与体系を
維持することができます。

年功序列型給与のデメリットを完全に解消することはできませんが上記の対策を組み合わせることで、デメリットを軽減することができます。

中小企業の場合

・規模が小さい

・経営状況が変化しやすい

・従業員の属性が様々

などの理由から、上記の対策をどのように導入するかはより慎重に検討する必要があります。

中小企業における職能給の導入ポイントと年功序列型給与の改善ポイントをまとめました。

①自社の事業内容や人材戦略に合った制度を構築する

②従業員とのコミュニケーションを十分に行い、理解を得る

③評価制度や運用方法を明確にする

④定期的に見直しを行い、必要に応じて改善する

今の給与額について客観的な評価基準を説明できますか?評価と給与が紐づいていますか?
時代に即した給与体系になっていますか?

給与設計proソフトは、経営者の羅針盤:迷いを確信に変えるお客様の業種や規模に最適な給与体系を構築し、導入までワンストップでサポートいたします。
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