人件費は「投資」だと考えれば見方が変わる

給与設計学

人件費は「投資」だと考えれば見方が変わる!

同じ仕事を何年も同じように担当するだけだったら、「熟練」による多少の生産性の向上はあるかもしれません。

しかし、

知識労働がメインになった現在では、「大きな技術革新や発想の転換」がなければ、

著しい生産性向上は達成できず、これからの厳しい競争市場では生き残れないでしょう。

人を雇用するということは、自分の仕事を代わりにやってもらっているという

ことだとも言えます。

これを会計的にみると、人件費を払って人を雇うことは、労働力の「仕入れ」とも考えられますから、給与とは消費(コスト)と考える方がほとんどではないでしょうか?

割り切って考えれば、人件費は過去の労働の清算であり、人件費を適正に管理するには売り上げに対する人件費の 割合に留意さえしておけばよいということになります。

そこには従業員に対する期待などは存在せず、単に労働に対する支払い以上の意味はありません。

しかし、

人件費を企業の将来にわたる生産性や成果を上げるための「投資」だと考えると、どうでしょうか?

経営者は対価以上のリターンを期待するものです。

誰もが15万円払ったら、20万円稼いでほしいのです。

人件費は投資であり、失敗するかもしれないし、成功するかもしれません。

だからこそリターンが多くなるように、成功する投資を行おうという発想に変わってくるのです。

この雇用関係は即ち、私はあなたに期待して給与を払っています。

だから、より多くをリターンしてくださいという関係です。

「これだけの生産性と効率を上げれば、これだけ払います!」

そういった企業目標実現につながる業務を手当にするのです。

高いリターンを上げるために、机・PC・道具・車が必要なら会社が用意する。

従業員はそれをフル活用してリターンを上げる努力を最大限行う。

高いリターンを上げるための場(環境整備)を作るのが会社なのです。

従業員自ら考えて、これだけやればこれだけ返ってくるという可能性を考えるようになってはじめて、人は自主的に動くようになります。

そうなれば達成感や責任感も感じるようになるはずです。

いつまでもやらされている感では成長はしないのです。

会社も消費財としてではなく、将来実を結ぶであろう投資として、人件費の総額を把握することが必要になってきます。

同じ業種で同じような規模(同規模同業種)であっても、従業員の年齢構成や仕事の質と量が違い、労働分配率も違います。

将来的にその差異は大きくなっていくでしょう。

今からその準備が必要となっているのです。

採用とは、外から稼いでくる素養や能力を持つ人を探し、その人がさらにその能力を伸ばせるように、お金、設備、教育、経験などを投資することだとも言えます。

その投資活動を従業員は有効に活用した結果、投資額以上の高いリターンを上げ、本人と会社へ還元する。

これを経営者は期待しているのではないでしょうか?

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