時間では測れない仕事をどのように考えるのか?

給与設計学

時間では測れない仕事をどのように考えるか?

サービス業の典型で医療や介護の現場ではもはや限界に達している感があります。

患者が来ればドクターの使命は法律的にも

道徳的にも診ないわけにはいかないようになっています。

全ての権限と責任が法的にドクター一人に集中しているために業務の受け渡しがほんの一部しかできません。

これでは

医学が科学的に進歩すればするほど疾病やその治療法が発見され、その対応の方法まで判断するには、医師の数も質も不足するに決まっています。

これらの業務を時間だけでカウントすることはとても不可能だと思えるのです。

一刻も早く業務を細分化して、本来のドクターの知見でしかできない業務だけを残し、
あとは少しでもスタッフに業務を委譲することが必要なのです。

この細分化された業務に、単価をつけてカウントすればいいと思うのですがいかがでしょうか?

建設業も深刻です。

よく聞くのが、現場作業員の残業代の問題です。

二次下請け、三次下請け、と末端になると、現場の作業員は日給制か日給月給制がほとんどです。

いわゆる日当いくらで何日働くかで月の給与が決まるのです。

問題は一日の労働時間の計算です。

自宅から現場に直接行き、終われば直接帰る場合と、一度ある場所(会社に限らない)に集合して現場に向かう場合の勤務時間の計算が違うのです。

同じ現場で朝8時から夕方17時まで働くのに集合して現場に行けば、集合時間からが勤務時間となります。仕事が終わって帰ってから作業日報を書けばその時間も労働時間となります。

もし仮に、私のクライアント先でこの通りにきっちり1分単位で残業代を計算すれば、

おそらく会社は未払い残業代だけで破綻です。

おおよそ全国の建設業は同じですから、仕事を時間だけで一律に測ろうとすることは無理なのです。

多くの仕事を時間内に早くこなせる方は優秀な人材です。

それは、生産性の高い知識労働になればなるほどもてはやされ、重宝な存在です。

出来る人がやった方が、会社にとっても上司にとっても一番生産性が上がるので都合がいいわけです。

これは知識労働の特徴でもありますが、上司は出来るだけ自分の手元に置いて働いてもらおうと考えます。

従業員は、自分がこの業務を受けるか受けないかを自分で判断し決断することになるのです。

従業員はここで初めて自分の能力と時間の関係を考えることになります。

こうした考え方を基に従業員は

自らが仕事を受けって(社内請負になって)いきます。

時間を基準に仕事をするわけではなくなるのです。

早く終わらせれば早く帰っていいのです。自分で時間の使い方を自由に決められる状態です。

自分の時間を割いてするかどうかを自主的に判断するのです。

これが自分の能力と時間の関係を考えるということです。

したがって、自らが効率や生産性を考えながら、自分の時間を使って仕事をするようになるわけです。

たとえ小さなことであれ何であれ、責任をもって業務を請け負うことこそ達成感と成長の源泉になるのです。

それがきっと従業員の満足感にもつながり、ストレスも減っていくことでしょう。

これが

業務を手当化することで生産性を向上させる秘訣です。

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